探偵日記


2021・03・31 水曜日 晴




とうとう3月も今日でお終い。10時から銀座で張込開始。やっと、仕事らしい仕事が出来る。といってもロートルの僕がやるわけじゃあない。僕は、他の事、情報収集や内偵など「静」の業務を優先する。しかし案外「探偵」の仕事としてはこちらのほうが面白い場合が多いし、報酬もいい場合がある。先日、12名の人の所在調査が入った。これに関しては顧問先の企業からの依頼で調査料も顧問料の範囲にとどまるが(こんな基礎資料だけで分かりますかね~)という担当者だがもうすでに90パーセント判明した。




受件の妙味 3




その会社からは今でもお呼びがかかるが、出入りするようになって間もなく専務のNさんに自宅に呼びつけられた。何だろう?と少々不安になって訪問したのだが、専務の奥さんのお友達が夫のことで困っている、相談に乗ってやってくれ。というものだった。友人の夫は開業医、住まいは成城学園5丁目。探偵など絶対の住めない街で、行ってみると、玄関のブザーを鳴らすのもためらわれるほどの豪邸だった。ご多分に漏れず浮気の調査だったが少々苦労した。なぜかというと、動かないのである。銀座に飲みに行ったり、スタッフと食事に行くが「女」の気配が全くない。マルヒのドクターは麻布のマンションに住んでおり、もう別居しているので自由といえば自由。何をしても文句を言われる人はいない。離婚の調停も進み、妻の依頼人は何とか有利にまとめたい。のだが、品行方正では5分の離婚になってしまう。調査は3ヵ月目に入り、その日訪問した僕は依頼人に対し(こんな状況ですがどうしましょうか)と切り出し、何とも言いようのない依頼人にこんな質問をした(奥さんんはご主人がもう枯れていらっしゃると思いますか)と・・・