探偵日記


2021・10・27 水曜日 曇り




女心と秋の空。とはよくいったものだ。さらに、秋の陽はつるべ落とし。とも言う。好きだと思って付き合っていてもイヤだと思うとあっさり気持ちを変える。その速さを言い表しているのだと思う。そんな女性の心をつなぎ留めておくのは至難の業である。男は、ある程度は「責任」や「立場」また「相手の女性の心情」に縛られ、悶々とすることがある。ところが、そんな女性の心変わりを信じられないというか、信じたくない男が結構居て、探偵事務所に駆け込む。探偵の僕は(そんな女なんか諦めて他に作ればいいじゃん)と思うが勿論そんなことは言わない。そして何らかの調査を提案するのだが、手っ取り早いのはその女性を尾行すればいい。100パーセント依頼人以外の男性が存在する。でも真面目な人はそこまで見なければ気持ちが決まらない。結果が出たら(ああ、そういうことか)と笑って次に踏み出せばいいが、稀に(いや、案外多い)事件を起こす人もいる。月曜日、新しい依頼人と喫茶店で会った。悪い予感がする・・・