探偵日記


2022・04・14 木曜日 ☂




朝からピリッとしない。花粉症は酷いし、昨夜攣った右足のふくらはぎが痛い。いっそのこと休んじゃおうかな。って思ったが、昨日入った素行調査の打ち合わせもあって10時過ぎに事務所に来た。




不倫調査&尾行 8




これで疑わしい女子事務員の住所は分かった。後日内偵(聞き込み)調査を実施。驚いたことに、母親と祖母それと当該女性三人が住む女系の家庭だったが、母親も祖母も妾だったようで、仮にこの女子事務員がマルヒのお気に入りになれば全員が男性の庇護のもと生きて行くことになる。             また或る日僕はビルの前で立ん坊をしていた。いつもそうなのだが6階の窓辺に男性社員が外を見ながら煙草を吸う。僕は張り込む位置をずらしながら出入りぐちょを監視する。夕方、女子事務員が一人で出てきた。帰り支度なのでいつものように東西線に乗るのかなと思い後ろを歩いていたら、とあるビルを曲がった。僕は一呼吸おいて角を曲がる。すると、女性が鬼のような顔で立ちはだかっていた。僕は驚いたが何喰わぬ顔で横を通り過ぎようとした。すると女性が「あなた待ちなさい、どうして私をつけるの」と言う。僕はとぼけて(あれ、何のことですか)と返したが、女性は僕を睨みつけて「あなたが1か月前から私を付け回しているのは知っているのよ」ときた。(笑)                (ああ、そうなんですか、でも僕はあなたのようなブスに関心ありませんよ。もしかしたらあなたは、誰かにそうしてもらいたいという願望があるんじゃあないですか)そんな捨て台詞を残してその場を立ち去った。現代なら、(つきまとい)とやらで警察に行く羽目になるかもしれないが、当時はまだ人々の危機管理もゆるかった。しかし、この段階で本件素行調査はほぼ終了していた。ラブホテルに行かないので(動かぬ証拠)は得られていなかったが、社長室に仕掛けたすぐれもので、二人の情事の状況は赤裸々に把握できていた。ーーー