探偵日記


2024・03・26 火曜日 ☂




阿佐ヶ谷の友人たちが予定していた本日の⛳中止にしたらしい。勿論僕も誘われていたが仕事の都合で断っていた。雨の日のゴルフは楽しさが半減する。でもやり始めはそんなことはお構いなしで、まさに槍が降ろうがプレーしたものだ。キャディさんが「お客さん本当にやるんですか」と、尻込みしたこともある。(笑) 今日は、妻を病院に送って言った関係で早く事務所に着いた。歩くのもやっと。といった姿を見ていると暗澹たる思いにとらわれる・・・・




空を飛ぶ依頼人 1




令和に入って間もなくの頃、事務所の景気もまあまあといった感じで、僕は自分の席で山本周五郎の文庫を読んでいた。戦後の、読み書きソロバン。といった教育で育った僕は、そろばんは苦手だったが読み書きは好きで、やや得意な方だった。特に、子供の頃から(うそつきター坊)と、あだ名されていた僕は「作文」など、嬉々として取り組んだものだ。最近になって、(作家はおしなべて嘘つき)と思うようになったが、彼、彼女らが、生来の嘘つきと言っているのではなく、物語を進めて行く過程で、想像をたくましくする。という意味で、断っておくが、決して、読者を騙す。ということではない。という次第で、僕は趣味の第一番が「読書」である。したがって乱読に近いが、特に、周五郎や藤沢周平、松本清張、浅田次郎などは読破した。                    そんな、ぼんやりと、どうかすると転寝しそうな僕を、事務の恵美子が「所長お客様です」と言って現実の世界に連れ戻した。その依頼人、Nさん、40歳を少し超えたころだろうか、決して特別美人とは言えないが、落ち着いた印象の婦人の依頼案件が、僕の探偵人生で、最も深く記憶に残る調査の一つとなった。・・・