探偵日記

探偵日記 9月7日土曜日晴れ

事務所からタクシーで阿佐ヶ谷に帰り着く頃には二日酔も治まった感じで少々お腹も空いてきた。今日は休肝日にしようと思い、M銀行裏の「カウボーイ」というステーキとハンバーグの店に行き、1260円のステーキセットを注文する。メニューの写真を見た途端飲みたくなって生小を頼む。それを飲み終えると何だか物足りなくてハイボールを注文、結局2杯飲み食事を終えて帰宅。意志が弱い。

それでも今朝は4時にすっきりと目覚めタイちゃんと1時間散歩する。10時、家を出て事務所へ。昨日、某法律事務所から送られてきたFAXを読む。4年前行った主婦の素行調査についての問い合わせだ。何でも一旦認めたのに証言を翻し「そんなことはしていない」と言い張っているらしい。往生際が悪い。といえばそれまでだが、恐らく弁護人の入れ知恵で、小社の報告書にあれこれ難癖をつけているようだ。最近の弁護士も品格のない輩が増えた。(エッそんなことまで言うの)と呆れるようなことばかり言ってきて、依頼人の弁護人も業を煮やし、かなり皮肉った回答をしている。その若い主婦は、パート先の大学生と懇ろになり、この日はホテルに行くお金が無かったのか、こともあろうに、公園の中にある「公衆トイレ」で事に及んだ。当方は、スリガラス越しではあるが、一部始終をビデオに収め二人が出てくる時の写真も添えている。勿論中での会話も良く聞いてみれば聞こえるはずだ。弁護人は「時間が短すぎる」ということも言っているが、男性はまだ大学生である。その弁護士も自分の若いときと置き換えて考えればいい。8分が短いといえる場合もあれば、(それで十分)と思える場合も有るのではないか。

そんなことを考えていて、ふと、ある弁護士の事を思い出した。小社はI弁護士からの依頼で、夫の素行調査を行った。あっという間に終わった調査結果で、全面勝利したのだが、数ヵ月後、知らない弁護士から電話がかかり、「頼みたいことがあるので来てくれ」と言う。勇んで赴いた僕が受付で来意を告げていると、初老の男性が出てきて「やあ、あの時は完敗だったね~」と言って笑っている。夫側の代理人だったのだ。この先生もすでに鬼籍に入られたが、今でも後輩の弁護士さんから良く依頼案件がある。昔の男は覚悟も出来ていて、往生際も良かった。ーーーーーーーーーー