探偵日記 11月28日月曜日 晴れ
今日からまたタイちゃんの散歩を、月~木と義務付けられる。5時半、眠い目をこすりながら外に出る。路面は濡れたまま。それでも駅から商店街を1時間15分歩いた。8時、朝食。10時に家を出て事務所へ。
調査員から報告を聞く。ちょっと難しいかな~と思っていた案件がいい形で終えたとのことひと安心する。
ロマンチックな恋の結末 16
新幹線で秋田まで行き、在来線で数駅戻って、午後早めに角館に到着。微風快晴絶好の行楽日和、駅前は地方に良く見られる風情で、ロータリーには観光名所に向かうバスの発着所が数か所見られた。朝、新幹線に乗る前、サンドイッチとコーヒーで軽く済ませたので小腹が空いた。今夜は秋田市内のホテルを取ってあるのでゆっくり食事ができる。日々の生活の中で、通勤の途中寄り道もせず、ましてや女性のいる飲食店など入ったこともない。趣味は研究と食事。でも食事といっても決して美食家ではない。ただ、沢山食べて満腹感が味わえればそれでいい。だから、夜ホテルでどんなものが出てくるか大いに楽しみである。見回すと、ロータリーの向こうに小洒落た喫茶店が見えた。あそこでスパゲティでも食べよう。と思って、その店に向かった。
なにしろ角館といえば、県内はもとより遠く東京からも大勢の花見客が訪れる桜の名所だ。この日も街中はそれらの人たちで溢れている。特にご婦人が多いのに驚いた。まあ、GWが終わった平日である。男どもは職場に復帰したであろう。暇を持て余すのは高齢者、それも女性たちが圧倒的に多いという現実を、起きている時間のすべてを宇宙に囚われているような人間は知る由もない。やがて目当ての喫茶店にたどり着き、おもむろにドアを開けてまた驚く。店員の「すみません満席です」と言う声を聞くまでもなく、立錐の余地もない情景を目の当たりにして、すごすごと外に出た。食べれないと分かると余計に空腹を感じ、仕方なくコンビニ弁当で済ませ武家屋敷に向かった。----------