探偵日記 12月15日木曜日 晴れ
今日は1月中旬から下旬の寒さだとか。雨風とともに寒いのも苦手な僕は(いいかげんにしてくれ)と、天気を怒鳴りたくなる。それでも律儀で生真面目な僕は、毎朝の支度を完ぺきにこなし事務所へ。
ロマンチックな恋の結末 25
教授は、部屋に戻って封書を開き読む。予想通り、自分のしていることが妻に知れ、妻が弁護士に相談した結果らしい。あの妻が。否、あの妻だから当然の成り行きだろう。そういえば、数か月前から娘とともにあれこれ詮索していたことを思い出した。しかしよく気付いたものだ。依頼人や調査をするほうから考えれば特別なことではないが、世間知らずの教授にとって、家から数百キロ離れた場所で行ってきた秘め事がどうして判ったのか。その一点だけでも不思議でならなかった。(尾行された?)そういえば、あの福田という男は弁護士事務所の職員なのか。など、いろいろ考えてみても良い方法が浮かばない。妻や娘の携帯電話は不通になっているし、家にも何度かかけたが留守電になっていた。彼女とは今夜もう一度会う約束をしている。東京のことも気になるが、彼女と会わずに帰ることなど論外だった。
翌朝、いや、昨夜も彼女が帰ったあと深夜まで何度か東京の自宅に電話したが、あいかわらず留守電になっており妻はともかく、傍観者であろう娘も不在である。いやいや、本当は居るのにわざと電話に出ないようにしているんじゃあなかろうか。とにかく会って話をしなければ。と思い立ち、早々にホテルを後にした。-------