探偵日記

探偵日記 11月30日木曜日 曇りのち雨

07時30分朝食。早々に支度をして家を出る。今日は数年前無くなった雀荘のママの葬儀があって、いきがかり上参列することになった。9時過ぎに新宿区上高田の「落合斎場」へ。葬儀といっても極めて簡潔なもので、参列者は僕を含めて5人。66歳まで生きて人にしては淋しい週末である。とりあえず喪主はSという雀荘のママ。その他は、その雀荘の関係者ばかり。僕も見知っている連中で、待っている間の話題にはことかかない。故人には申し訳ないが談笑しながら過ごした。
故人は北海道出身の女性。聞けば19歳で上京したようだ。両親はすでになく、姉2人、弟2人は健在である。ところがさて、葬儀のほうは有志が行うとして、お骨をどうするか。ということになり、職業柄僕が遺族の連絡先を調べることになった。故人は生前喪主のママに「末弟に連絡を取ってほしい」と言っていたようで、ママはその通りにしたが、弟は(姉とは縁を切っている。関係したくない)の一点張りでらちがあかない。勿論(お骨なんか持ってこられても受け取れないし、墓に入れるなんてとんでもない)と言ったそうだ。そこで、すぐ上の姉の嫁ぎ先を調べて電話してみた。最初こそ、驚いていたようで、(最近よく思い出していたんです)との由。僕は、まあ、遠方ですしおいでいただかなくて結構ですが、お骨は我々がお預かりするものでもありませんので、何とか菩提寺のお墓に入れて貰いたいのですが。というと、(それは困ります。)とのこと。僕は常々、人の死は恩讐を超えるもの。と思っている。生前どんなことがあっても水に流すべきではないだろうか。まあ、人は様々だから仕方ないが。