探偵日記 12月08日金曜日 曇りのち雨とか
昨夜は久しぶりに会う友人と食事をした後、彼の馴染みの店に連れて行かれた。彼は長いこと腎臓透析を受けており隔日にクリニックに行く。稀に、2日間隔の開く日があって、それを利用して横浜から歌舞伎町に出てくる。月1回のその日は悪友の僕を誘ってクラブに繰り出すのだが、歌が好きで行くと10曲ぐらい唄う。まあ、きちんと透析を受けていれば日常生活は送れるようだ。但し、女房に三下り半を突きつけられ、現在1ルームのアパートで淋しく暮らしている。と考えるのは周囲で、本人はけっこう気ままに過ごしているらしい。彼の妻は、彼が再起不能になるや、さっさと離婚届を突きつけ(出て行け)と言ったらしい。僕より3歳上の彼はまだ昔の男で、一切泣き言も言わず、僕が薦めた(財産分与)も要求せずサインしたという。妻の生家はまあまで、預貯金も相応にある。と僕はにらんだが、「離婚」の原因は自分にある(僕もそう思うが)と、潔く家を出た。以来、コンビニ弁当で凌いでいるようで、たまにぼくと食べる食事は大変なご馳走らしい。
僕もいずれ彼と同じ道を辿ることになるだろうが、妻の要求を、彼のように毅然として受け入れられるかどうか自信は無い。但し、僕には、朝ごはんの係、掃除と洗濯の係、淋しくなったらお茶してくれるガールフレンドが居る。なんてことを言ってるから女房殿に棄てられるのかな。