探偵日記

探偵日記 12月06日木曜日 雨

なまけ癖がついたのか、あるいは本当に加齢による衰えなのか、最近は疲れが取れない。先日の協同組合の理事会の時、某理事が「自分の睡眠は平均3時間」と言っていた。僕は、な~んだそれってナポレオンと同じじゃあないか。と思ったが、自分の睡眠時間の平均が10時間なので比べてみて愕然とした。まあ、10時間寝ているわけではなくベッドでぐずぐずしていることが多いのだが。朝起きてご飯を食べて、予定があればすぐに支度をして出かけるのだが、何もないと妄想にふけったりしていたずらに時間を消費してしまう。血沸き肉躍るような仕事が入れば30歳ぐらいすぐに若返るのだが。

その1「盗聴」のつづき

講の名前は「仏の講」トップの名前はS氏。本部は神奈川県の相模原の奥まったところにあった。当時、電話の盗聴が大流行で僕の事務所も当然そのノーハウは持っていたし実際に経験もした。したがって、S氏の言う「盗聴されているかもしれない」という疑問はしっかりと受け止めることができた。ただ、我々探偵事務所がやる場合、1回線かせいぜい2回線だろう。翌日、機器を用意して再び仏の講本部へ赴く。講側は、いつも僕の事務所に来るMと顧問弁護士、とうぜんS氏も立ち会った。僕のほうは調査員3名と僕。まず本部建物内に入り回線をチェックしたが不審な点はない。次は、建物壁面にあるNTTの端子ボックス及び、そこから延びる電話の線。ここにも異常は見られなかった。(ないですね)と僕が言うと「そんなはずはないんですがね~」とS氏は怪訝な顔をする。
本部のある場所はかなり辺鄙で、付近の少し離れたところに数軒の農家があるだけだが、本部の建物に近い場所に真新しいマンションがあった。僕が、(入居者がいるんですかね~)と言うと、S氏も「いや~もう半年経つんですが誰も入っていないようです」と応じる。・・・・・・・・・・