探偵日記 03月05日火曜日 晴
今朝は早く目が覚めて07時に朝食をすませ、すぐに支度をして出ようと思ったが、ぐずぐずして11時に事務所着。目的がないと人間は怠惰になる。特に僕は意志が弱いから環境に流されやすい。
一人で事務所にいると昔の調査を思い出す。今日もいろいろ思い出し、特にある調査のことに至った。その依頼人は某消費者センターから組合を紹介され、まわりまわってTDAへ。そして僕が応対することになった。当日、文京区で開業しているというクリニックの院長夫婦が来所。調査の目的は（もう嫁いでいる次女の家庭を調べてくれ）というものだった。夫婦には二人の娘があって、長女は離婚して男の子を照れて実家に戻っている。いわゆる出戻りというやつである。外に出ている次女は両親、特に母親と折り合いが悪く結婚してからはほとんど実家に寄り付かず、母親が自分たちの家を訪れることも拒否するありさまで、両者の仲はますます剣呑な状態になった。母親は、本題に入らず娘やその夫、果ては二人の孫のことまで口汚く罵るばかりで一向に話が進まない。少々焦れた僕は、（じゃあ何ををどのように調べればいいのか）問うと、「とにかく瑕疵を見つけろ」と言う。実の親が子供のアラを探せ。という。何だかこんな調査は嫌だな～。と思ったが組合からの流れであるし受件した。・・・・・