探偵日記 04月17日水曜日 曇り
朝、NHKで天気予報を見るとこれからしばらく雨の心配はなく暖かい日が続きそうだ。歯医者さんによって事務所へ。今日は忙しい。といってもすぐに儲けにつながることではない。
ただ、探偵にとって、人と会い名刺を交換することも大事な営業で、僕という探偵の存在を知ってもらうことが肝要なのだ。ただ、僕のこういう営業スタンスは、(間違っていたのかな)という反省も最近することが多い。現在のようにネット社会になると古いのかもしれない。しかしもう手遅れで、この姿勢を変えるのは至難の業であろう。
詐欺師K 4
翌日は競馬に行こうということになった。ただ、平日にやっているところがあるんだろうか?僕がそんな疑問を口にするとKはニタリと笑って「ふくちゃん、土日は国営、そのほかの日は公営で大井、川崎、浦和、船橋、どこでもやってるよ」と言う。僕はそれまで競馬なぞやったことはないから知らなかった。また、Kは、「競馬がやってなけりゃオートレースやボートもあるし」と自慢する。ふ~ん。と僕は妙に感心させられた。そしてその日は浦和競馬に出かけ、生まれて初めて競争競馬を経験した。翌週の木曜日、会社でKに「福田君ちょっと付き合ってくれ」と言われ、当時流行りだした割賦販売のデパート丸井にお供した。時計売り場に行くと店員に「ああ、弟に時計をプレゼントしたいんだけど」と言い、僕にあれこれ物色させ3万円の時計を買ってくれた。丸井を出るとすぐに近くのセキネ質店に行ってその時計を質入れし、27,300円を受け取った。何のことはない土曜日から始まる府中競馬の資金作りをしたのである。しかも、Kは契約の時偽名を使った。・・・・