探偵日記

探偵日記 11月15日金曜日 晴

予報通り寒くなった。昨夜は顧問先の社長と銀座のクラブのホステスさん4人を交えて、六本木でショーを見た。僕は初めてだったが「金魚」というニューハーフの演じる寸劇仕立てのショーはそれなりに面白く知る人ぞ知る名店らしい。アマンドで落ち合って、蕎麦屋に行き一人7000円のそばを食べショーを見た後タクシーで銀座へ。蕎麦屋にしてもクラブにしてもとても僕のような貧乏探偵の行くところではないが、お付き合いとあらばしかたない。というより、行けば行ったで誰よりも楽しんだのはいうまでもない。単線無人駅の郷里では思いもよらない至福の時だった。

月曜日にも書いたが、某弁護士から突然電話がかかり、法廷で、古いクライアントに不利になるような証言をしてほしい。と言う。(バッカじゃあないの)と思ったが、一通り聞いてみた。最後に、(先生僕に探偵やめろっていうんですか)と言うとやっと電話を切った。まあ、彼なりに追い詰められてやむなく僕を探したのだろうけど、探偵に「その調査は誰に頼まれたのか」なんて聞いても応えるものはいないだろう。それなのに、依頼人が不利になるようなことを証言してくれ。と聞かれた僕は唖然とした。その弁護士は「ではいずれ法廷でお会いしましょう」なんて捨て台詞を吐いたが、何度も書いてやる(バッカじゃあないの)