探偵日記 04月12日 日曜日 曇りのち雨
物心ついて70年余、初めての経験である。3.11の時も恐怖を感じたが僕的には回復は早かったように思う。その後、仕事で南相馬から福島市内を車で通過した時、初めて震災の怖さを実感した。まさに、ゴーストタウンそのもの。今の東京も同様。実は今日も不要不急の外出をした。いつもは、歩きにくいぐらい人出のある歌舞伎町のさくら通り。数人の呼び込みが所在無げに立っているぐらいで誰も歩いていない。
まあ、自分は勝手なことをしているが(よしよし、この調子ならあと2週間もすれば治まるだろう)なんて勝手に思っている、超無責任なコナンでした。
新宿・犬鳴探偵事務所 4-12
僕の書いた「七人の奇妙な依頼人」の2番目の「ペンキ」の依頼人のように、じゃあな。と言いながら帯の付いた100万円をポンと投げてよこす。ぼくてきには、お金を投げてよこすのは相手に失礼だろうと思うのだが、この二人は様になっていた。貧乏探偵の犬鳴は(有難うございます)と言って恭しくいただく。Wは「何か出たらあとこれな」と言って左手を広げた。彼の業務にプラスになるようなものが判明したら、500万円あげるよ。と言ってるのだ。かなり親しくなって犬鳴が、冗談交じりに(会長、それって僕にはわかんないじゃあない)と言ったことがあった。するとW一瞬はムっとした顔をしたが、「分かった、それならワンちゃん俺と一緒に行こう」と言い出した。僕の事務所で作成した報告書を持って、商談?する場面に立ち会え。と言っているのだ。犬鳴は、(冗談じゃアない、そんなことをしたら恐喝の共犯になるじゃあないか)と思ったが、今さら引けない。というわけで、某日、日本人なら誰でも知っている会社の社長室で、Wのお手並みを拝見する羽目になった。・・・・・・・