恋愛ごっこ 5

探偵日記 9月24日水曜日 晴れ

今週の初めは予定が盛り沢山で肉体の疲労は頂点に達した。まず日曜日は阿佐ヶ谷のゴルフコンペ(サンサン会)があり、栃木県の小山市にある「ひととのやCC]に行った。微風快晴申し分ないゴルフ日和、ただ、スタートが早く、家を出たのが5時20分、パッティングの練習をする間もなく1番ホールに立った。結果は散々で、午後少し頑張ったので支払いは少なくすんだが、順位は4位。優勝は僕より4歳年上の工務店の社長。準優勝は見張り番(愚妻のこと)で、何とドラコンを独り占め。機嫌よくパーティに参加できたようでめでたしめでたし。次の日は友人の誕生パーティ。食事の後、10時位まで飲んだ。そしてその翌日はまたゴルフ。八王子にある「相武CC]で友人の歯科医ら三人を相手に戦った。この日のスタートも早く7時45分。しかし、それだけ早く終わったので新宿経由で帰宅。2時間ちょっと麻雀を楽しむ。阿佐ヶ谷について6時半からゴルフ仲間の夫の喜寿のパーティに参加。中華を食べて8時半に帰宅。

良く寝て、4時半起床。ドアの前で待っているタイちゃんと散歩。今日は事務の高ちゃんがお休みなので早々に事務所へ。すると、お休みのはずの高ちゃんが居る。(あれ、どうしたの?)と聞くと、「明日休みたいんで変えた」とのこと。な~んだ、もう少し寝てれば良かった。(笑)

恋愛ごっこ 5

演出家の真剣な問いかけに、にっこり笑ったOは、(先生、僕を信じてください。尊敬する先生を裏切るようなことは致しません。というより、僕は先生のお力になりたいんです)と言う。その日から、演出家とOは団員に気付かれないよう注意しながらディスカッションを重ねた。大部分はOの質問に演出家が答える形で進み、やがてOが直接的な行動を開始することになった。Oは対象者の夫の演出家に様々な質問をしたが、その内容は、対象者の趣味嗜好や感性など微妙なものであった。例えば、ものの見方。人は様々で、同じ現象に接しても受け止め方は千差万別である。好みのの異性、好きな音楽、好物、逆に、嫌悪するものや言葉、服装、香り、等々。

やがて3ヶ月が経過。その間、演出家とOは仕事以外には一切接触しなかったが、演出家は妻の微妙な変化を感じていた。これまでの妻はたまに実家に戻る以外はめったに外出せず、映画や演劇等は決まって夫を誘い、演出家も出来る限り妻の希望に応える努力を惜しまなかった。したがって、夫と劇団員のMの仲を疑うこともなく、周囲には(仲睦まじい夫婦)を演じていた。否、演じていたのは演出家のほうで、妻は当然のこととして、普通の幸せを享受していたに過ぎない。では、妻がどのように変化していったのか。特に変わったのはほんのひと月ぐらい前からで、夫婦で食事している時も、どうかすると心ここにあらずといった風情でぼんやりすることが多くなった。と思うと、いきなり高揚して饒舌になり、子供のようにはしゃいだりした。-----------