探偵日記 02月04日火曜日 曇り
今日は立春。暦にふさわしい暖かな一日だった。それなりに過ごし明日のゴルフのため20時に帰宅。
今週末から来週の初めにかけて予定が入る。ただ、日曜日に、上海から依頼人が来る。大丈夫かな~
新宿・犬鳴探偵事務所 2-4
この奥さんに、昨日のことをそのまま言うとまた荒れ狂うかもしれない。しかし、(臭いものにはふたをする)犬鳴の作法が通じるとは思えない。絶対に避けてとおれない道である。犬鳴は、意を決して、世間話でもするように話し始めた。(まあ、浮気をする男は他愛無い嘘をつくものです。麻雀してたとか、ゲームセンターで遊び気が付いたら朝になってたとか、残業で徹夜になったとかね。)でもそれは、妻に対する愛情の証でもあるんです。どうでも良ければ、そんなウソを言って取り繕うことも無ければ、第一、家に帰らなきゃあいいんですから。そんなことを言いながらそっと依頼人を見る。依頼人はそんなものかな~。という顔をして、ぼんやりと犬鳴を見ている。犬鳴は続けて、やっぱりご主人はあの女が怖いんでしょうかね~(昨夜のことですが、実は二人は会って、工藤の部屋に泊まりました)そう言って、そっと依頼人の様子を窺った。
依頼人はエッという顔をした。犬鳴の言葉がとっさに理解できなかったようで、聞き直したいような表情で犬鳴を見つめる。その顔が一変、鬼の形相になり、やがて、恥も外聞も無いように号泣した。依頼人は、夫から、昨夜急患が入り徹夜になった。と聞かされ(お疲れ様でした)と労っただろう。また、体調もきずかったはずだ。しかし、事実は、夫は不倫相手の看護婦と楽しく食事をした後、その女性の部屋で朝まで過ごした。まんまと欺かれてしまった。・・・・・