探偵日記

探偵日記 02月03日月曜日 晴

朝食の後、ゴルフのレッスンに行き11時帰宅。シャワーをして新宿へ。ところが、駅に着くと中央線は大幅に遅れ改札に人が溢れている。仕方なく地下鉄丸ノ内線で行く。午後4時、クリニックに予約していたので阿佐ヶ谷に戻った。情け容赦ない治療をされて飲みに行く気力を削がれる。知人が「飲んだらよく寝れた」という生姜酒を買って帰路につく。今日はついてない1日だった。

新宿・犬鳴探偵事務所 2-3

あくる日、事務所で和久田の報告を聞く。ソバージュ女の工藤沙織は新宿区富久町のアパートに住んでいるが、二人は喫茶店を出ると一丁目にある寿司屋に入り小一時間過ごしたあと、夫婦のように戯れながら靖国通りを5分ほど歩き、あけぼの荘と書かれた2階建ての木造アパートの201号室に入ったという。1階の集合ポストに「工藤」とあったからソバージュの部屋であることは間違いなさそうである。
二人が明らかに女性の部屋に入った。からといって、探偵の業務が終了するわけではない。3名の調査員はその後張込を継続。朝8時、マルヒが201号室を出て勤務先の大学病院に出勤するまで見届けた。マルヒは、タクシーで病院まで行き、すぐ近くにある喫茶店でモーニングを食べ、途中、どこかに電話をかけてから院内に入ったらしい。「主人もあの女を怖がって」という依頼人の「あの女」は、依頼人、すなわち自身の妻のことじゃあなかったのか。犬鳴は、無邪気に、子供のように怒る依頼人が哀れに思えた。
午後、依頼人がまたベンツでやってきた。ソファに座るなり「ああ、昨日は空振りだった。朝主人から電話がかかって、急患が入って大変だったみたい」と言う。朝の電話で、マルヒはそのようにこぼしたようだ。今日の依頼人は精神的に安定してるようで、言葉も穏やかで、表情も柔らかく(良家のお嬢さん)そのものである。犬鳴は(まいったな)と思った。探偵のつらいところで、好むと好まざるに関係なく、これから依頼人を奈落の底に突き落とす報告をしなければならない。機嫌よく目の前に座っている依頼人に真実の報告をすることを躊躇った。・・・・・・・