探偵日記 03月01日 日曜日 晴
暖かい日だった。朝ご飯のあと、四谷三丁目の床屋さんに行く。その後、歩いて新宿御苑前まで行き行きつけの薬局でお買い物。さらに、新宿k三丁目まで歩き、大好きなお蕎麦屋さんでランチ。
そして、お定まりのコース。18時半、地元に帰り、小料理屋でビール1本、焼酎(明るい農村)のお湯割りを2杯飲んで、〆に野菜雑炊を食べて帰宅。とりとめない一日が終わった。
新宿・犬鳴探偵事務所 3-1
沙織の話は理路整然としており分かりやすかったし、故意も衒いも無かった。初めて会った他人の犬鳴に真情を吐露してくれたのだと胸に沁みた。たんに、田舎出の人というのではなく、沙織の本当に姿を見せれたような気がした。(いい娘だな)犬鳴は沙織が会いたいって言った時、会えば、罵られたり、泣かれたりするのかな。と覚悟してただけにホッとするよりちょっぴり感動した。と同時に、あの素朴な工藤夫婦を見直した。二人の子育ての成果であろう。良く、(子は親の背中を見て成長する)というが、まさにそのとおりだと思った。
ひとしきりそんな会話をした後、沙織がくそ真面目な表情になって、「ねえ、犬鳴さん私もとの体に戻ったらまた東京に出てくるつもりだけど私の恋人になってくれない・・」と言う。犬鳴は一瞬、沙織の言葉の意味を理解しかね、エッ何?と聞きなおすと、沙織は少し寂しそうに笑って、「だって、犬鳴さんのせいで彼氏がいなくなたんだから責任取ってよ」と言う。犬鳴は、へ~そんな理屈もあるのか。と思ったが、(いいよ、君みたいな素敵な女性の相手が出来るのなら、よし、分かった。今夜家に帰って女房に別れ話をしておこう)と言ったあと、おどけて、あっかんべ~をして、周囲の客が振り返るぐらい笑いあって沙織と別れた。・・・