探偵日記

探偵日記 03月04日水曜日 雨

今日は朝から僕の嫌いな雨。10時、クリニックへ、そのあと、新宿に行き人と会う。
少し調子が悪く、5時半頃帰宅。家の近くの中華屋さんで簡単にご飯を食べた。何もいいことのない1日だった。

新宿・犬鳴探偵事務所 3-04

なにしろ、日本調査業協会の初代会長は警視庁のOB、K氏。彼は、愛宕署や丸の内署の所長を歴任した人物だ。退官後、我々の業界に転じた。と言っても誰かが担ぎ出したお神輿である。
他にも、元、埼玉県警本部長や、警視庁本部で捜査一課長を務めた人物もいた。彼は、吉展ちゃんの誘拐犯人、小原保を取り逃がした時の指揮官である。横柄でたいそう威張っていたが、我々探偵はそれでもありがたがって迎えたのだった。犬鳴が理事を務める「東京都調査業協会」の会長は民間人で、千駄ヶ谷にあるテイタンの社長「廣島澄雄」氏が就任した。とにかく、察庁のOBというだけでありがたがる風潮があり、後に会長となったT氏など、警視庁の外事に1~2年居ただけの、ただ、弁の立つだけの人物だった。権力とか、肩書に何の関心も無い犬鳴は、苦々しく眺め覚めた目で見ていていたが、ま、それで主管との関係が上手くいくのなら、と、そんな協会のの主だった人たちの方針を認めていた。
ただ、主管は(探偵に何らかのお墨付きを与えれば、キチ害に刃物を持たせるようなもの)とおもっていたふしがあり、その証拠に、この日、壇上に上がった担当者が(近々探偵業法を)などと言っていたが、
実際に法律が施行されたのは、それからおよそ20年後のことだった。・・・・・・