探偵日記 04月18日土曜日 雨
僕は本当に雨が嫌いだ。朝雨が降っていると何もしたくなくなる。しかも今日は土曜日、ぞの上早々に雀荘のママから「今日はお休みします」というメールが届き、あ~あ
我が家はついに帰省することに決まった。少し迷っていたのだが主な顧客である法律事務所も開店休業状態でピリッとも電話が鳴らない。東京に居ても仕方がない。ということで決定した。継続中の調査もマルヒが全く動かず報告すべきことがない。こんな状況がもうかなり続き、今後、2~3か月続けば我々自由業や小売店、小規模の事業所は軒並みダメになるだろう。仮に、30万円もらってもそれでしのげるとは思えない。かといって、これは国家にとっても予期できない有事で(なんとかしてくれ)というほうが間違っている。と思う。それなのに、野党は、安倍首相の夫人が緊急事態宣言の前に大分県の神社に参拝したことをとやかく言っている。自民党は大人だから(じゃあそちらの議員さんはどうなんですか)などとは言わない。さらに、公明党の山口氏が自民党に対し(連立を外れてもいいよ)と言ったとか言わなかったとかというニュースに憤りを感じた。(結構ですよ、どうぞお引き取り下さい)と言えたら自民党も見上げたものだが・・・
新宿・犬鳴探偵事務所 4-18
午前8時43分、黒塗りのハイヤーがマンション前にやってきて、運転手が車にブラシをかけている。そろそろだな。と思っているとマンションのエントランスからマルヒが現れた。犬鳴はいつも思う。政治家にしろ大企業のトップや国家公務員の上の人たちはおしなべて小さな人が多い。ちょっと語弊があるが、昔年寄りが良く(大男総身に知恵が回りかね)などと、体の大きな人をさし揶揄していたことを思い出す。今は総じて体格のいいひとが多く要人にもそんな人が目立つから、まあ、大昔はそうだったのかと考える。少し横道にそれたが、本件のマルヒも矮躯であった。
運転手が恭しく朝の挨拶をして後部座席に招じ入れる。マルヒは運転手にカバンを預け、小さな体をそりかえらせて乗り込んだ。車は10分ほどのところにある本社建物の地下駐車場へ消えた。
これでとりあえずは午前の業務は終了。調査員らは遅い朝食兼昼食を近くのホテルですませ、15時ころ、勤務先のビルで張込を再開する。
本件は非常についていた。張込を再開して間もなく件のハイヤーがマルヒを乗せて出てくると品川駅に近い高級ホテルに行く。そして車を下りたマルヒはフロントに寄らずエレベーターで上階の客室に入った。(マルヒは鍵を持っていたようです)調査員の報告を聞き、犬鳴はなるほど。と思った。会社で借り上げている部屋があるのだと。・・・・