探偵日記


2021・09・27 月曜日 晴




朝のうち小雨が降っていたが今はすっかり晴れて、しかも気温が高くなく秋らしくすっきりしている。30日で自粛も解けるようで仕事のほうも少しは上向くか。ただ、今週末またまた台風がやってきそうでなんとも悩ましい限り。昨日、休日なのに新規の依頼人から「ご相談したい」との電話があり午後ルノアールで会った。一見、穏やかで気の弱そうな高齢者。相談の内容は、長年交際していた女性に「貸したお金を返せ」と迫られているというもの。僕は男の依頼人は好きではない(否、尊敬している人だっていないわけじゃあない)し、女性にお金を借りるなんて。と、嫌気がさした。ところが、金額を聞いて驚いた。何と2億円。と聞いて改めて観察するが決してハンサムでもないし、むしろ背は低いほうで体型もやや小太り。それからさらに詳しく聞くと、「借りたつもりはないんです」と言う。交際期間15年、この間、二人で面白おかしく遊びまわったらしい。依頼人は「僕はすでに年金生活者になってて」と、言い訳がましく言う。まあ、多少の出費はしたようだが殆どはその女性が気前よく払ったらしい。僕にも経験がある。貧乏探偵も稀に思わぬ大金を手にすることがあり、歌舞伎町や銀座のクラブで散財した。何しろ素ではもてないからお金のあるふりをしてホステスの歓心を得ようとし、求められるままに億の金を使った。ああ、女性も同じなんだな。変なところで感心した。・・・