探偵日記


2020年08月20日木曜日 晴




昨日受件した案件について調査員と打ち合わせする。マルヒは女性、電気自転車に乗っているというから調査員もその種の自転車を用意しなければならない。「どっかの駅で借りれるでしょう」と簡単に言うから少々心配になる。ランチをしてお開きにする。その後、司法書士の事務所に行く。会社の本店移転の依頼。何かと忙しい。




開業医に関する素行調査




喫茶店で会うと早速その手紙を見せる。なかなか達筆で長文であった。そしてその内容は依頼人が怖がるようなもので、「貴女はご主人の素行調査をしていますね。とか相手の女性を徹底的に調べるのはなぜですかとか、違法な調査もしていますね」などと書かれている。犬鳴も少なからずショックを受け、大いに疑問に思うとともに、(厄介だな)とも感じた。封書の裏には住所と名前も書いてある。すぐに事務所に連絡して、ちょうどいた調査員にその住所を確認するように指示。まもおなく調査員から電話で「ちんけなアパートで中年の夫婦が住んでるみたいです」と言う。




翌日からアパートを張り込ませてその部屋から出てくる人間を調査させた。女房と思われる婦人は地味な印象の平凡な主婦のようで、仕事は持っていないらしかった。次に、部屋から出てきた男性を数日尾行した結果、或る日、犬鳴も知っている興信所に入ったという。(なんだ同業かな)と思ったが、男は毎日出勤するわけではなかった。じゃあ何か依頼したのだろうか。ところが或る日、調査員が東京駅で面白い光景を目撃した。--