探偵日記


2020・11・6 金曜日 曇り




今日は少し寒い。それでも(犬も歩けば棒に当たる)とばかりに、ワンちゃんならぬ、お猿さんの僕はあてもなく家を出る。昨日、事務所のホームページを担当している人と、最近noteで僕の小説を細切れにしてネットに配信してくれている人と3人で打ち合わせした。noteの人曰く「福田さんのキャラクターを前面に出して、経験の長さや実績をアピールする」と言う。だがしかし、写真などを出されるのは困る。まあ、もう張込などの現場にはいかないもののどうにも気がすすまない。最近は探偵が表に出るケースを多く見かける。例えば、ホームページに自身の顔写真を張り付けている。それらの事務所は大勢の調査員を抱え自分自身が現場に出なくてもいいのだろう。まことに羨ましい限りである。さらに、例えばと、経済界で高名な企業の社長を例に出す。僕は思った、要するにホームページの制作会社のプレゼン担当者やネット配信の関係者は「探偵」の実情とか業界を知らないんだろうと。だから二人に言った。(そりゃあ金糸目をつけないでやればそれなりの効果は上がるだろうけど、僕の事務所は貧乏だから無理だ)と。お金はかけたくないけど仕事は欲しい。これも無理難題な話である。




二人はさらに言う。探偵の料金設定を思い切り下げたらどうか。と、「ほらこの事務所なんか4000円からって書いてますよ」言わんとする意味は良く分かる。低料金で依頼人を釣って、あとでそれなりの料金を請求すればいいじゃあないかと。例えば、4000円はここまでです。もっと知りたければこのくらい必要です。と言えという。山口県の日本海沿いの鄙びた漁村で成長した僕にはとても出来ない芸当だ。嗚呼ーー