探偵日記


2021・10・13 水曜日 ☂




昨夜食事を摂っていたら携帯が鳴り見ると知らない番号である。しかし、いつもそうだがどんな場合でも出ることにしている。「あ、私Tの息子ですが」と聞いて用件を理解した。Tさんは僕より2歳上で30年以上親交のある人で、ある会社の役員だった。数年前から人工透析を受ける羽目になり、同時に妻から三下り半を突き付けられた。彼は即座に応じ無一文で家を出て一人暮らしとなったが、週3回透析を受ける環境では再婚もできず寂しい晩年であった。その人が夜路上で倒れ亡くなったという。「父の携帯に最近までやり取りがあったようなので一応お知らせいたしました」と、ご子息の話。ただ、不審死と言うことで司法解剖されるらしい。したがって、その後のスケジュールは未定との由。必ず知らせてほしい。と告げて電話を切った。こういうのを(虫が知らせる)というのだろうか、つい先日彼から電話が来た。普通メールのやり取りが主だったので珍しいこともあるものだと思いかなり長電話となった。彼曰く「あまり過信しないで用心して生活してください」と。お互い元気な声を聞く最後のやりとりとなった。合掌