探偵日記 2月14日木曜日晴れ
車検が今月15日で切れることに気づいたのは2日前、慌てて、調査員のM君に頼み今日鮫洲に持っていってもらうことになった。ヤナセに依頼すると、ここぞとばかりに、あれも直したほうが良い、ここも、と言って、100万円以上の見積もりを提示される。貧乏事務所にそんな余裕はない。だから、オーナー車検となるのだが、僕は今までただの一度も自分でやったことは無い。車庫から車を出し事務所まで持ってきた。それが精一杯。事務所に来ると歌舞伎町のクラブのママから何やら届いている。開けてみるとチョコレート。はは~ん、今日はバレンタインデーか。昨年末もお歳暮を頂いたのにお店には殆ど顔を出していない。そろそろ行かなくちゃあと思うが、タイちゃんの散歩を始めてから夜遊びが億劫になった。
昨夜、とあるバーでママさんと恋愛談義になった。ママ「福田さんは好きな人が出来た時、その人のことを考えて胸がキュンとなるか」僕(なんだそれ、そんなことは一度も無い。そりゃあ、口説いている時はそれなりに充実するが、いざ自分のものになってからは、責任のある愛情はかけるが胸が痛むようなことは無い)ママ「ああ、見損なった。福田さんはもう少しデリカシーのある人だと思ったのに、でもそれは、男と女の違いかしら、他のお客さんにも聞いてみよう」僕(ああそうしてよ、女じゃああるまいし、いちいち胸キュンになるもんか)と応じたものの、果たしてそうだろうか?僕自身の記憶には無いが、もしかしたらそんな時も有ったように思う。遠い昔の出来事だ。今となっては、古希を迎えた初老の男に胸をときめかすような出会いが有るとも思えない。ただ、女性は年齢に関係なく可愛い存在だし、愛おしいとは思う。------それだけじゃあいけないのかな~(笑)