探偵日記 12月14日土曜日晴れ
今日は土曜日だけど事務所へ。月曜日に行う報告書を作成しなければならない。「報告書」は探偵事務所の商品であるから、美味しく。じゃあなく中に記されたものは商品(情報)としての価値が無ければならないし、格式や体裁も整えなければならない。読む人が(なるほどそうか)と納得し、且つ、場合によっては法的な威力も発揮しなければならない。所謂、証拠能力である。裁判では、相手の部屋に行って数時間過ごしたり、仮に宿泊しても直ちに「不倫」の証拠にはならない。とされることがあり、シティホテルなども同様である。また、驚くことに、ラブホテルに入って数時間過ごしても(足が痛くなったのでマッサージしてもらっていた。とか、話をしていた。)と言って逃れようとする輩も居て、裁判官のほうも(そういうことだってあるだろう)などと判断する人も居る。中には(一回ぐらいいいじゃあないか)とのたまう裁判官も現われ、証人で出廷した僕は絶句した。
というわけで、報告書の作成には気を使う。(小社の調査結果とこの報告書で負けたら看板を下ろします)なんて威張っていられない。ただ、これはごく一部の変わり者の裁判官の話で、大方の裁判官は、そんな戯言は退ける。お手手を繋いでラブホテルに行っていながら性交はしていません。と言う人や、そんな指導をする弁護士は「品格」の欠如している者であろうが、勝てばいい。儲かればどんな売り方でもいい。というポリシーは決して長続きしない。その証拠に、昨今の有名ホテルや百貨店、高級料亭等、を見ればいい。