探偵日記 5月20日火曜日晴れ
今朝もいい天気。朝5時にタイちゃんの散歩に出る。相変らず気ままな犬で好き勝手に歩き、四つ角に来ると僕の顔を見て(どっちに行く?)という顔をするが、結局自分の行きたいほうに歩き始める。ただ、最近は彼も高齢の為1時間弱で家のほうに向かい、さっさと帰ってしまう。僕としては足を鍛えようと思って再開した散歩なのに少々物足りない。2時間ほど横になって朝食を食べて事務所へ。
昨日、思いがけず6年ぶりに知人と会った。夫婦別れして、神戸の妹宅に身を寄せて司法書士を目指したが叶わなかったようだ。弁護士もそうだが、記憶力の勝負だから年を取るほど難しくなってしまう。(ちょっと話がある)というので喫茶店で聞いたが、肺がんで、手術も出来ず余命1年と宣告されたらしい。(半年前の検査では何事も無かったのに)と言って悔しがっていた。それで、親しくしていた人たちに最後の挨拶をしたくて上京したものらしい。僕は(とにかく一つの病院だけじゃあなくセカンドオピニオンとやらを受けるように勧めたが(もうどうなってもいい。最近は痛みを和らげてくれるらしいから延命のための治療もしない)と言い張っていた。聞く限りでは随分覚悟のいいことだと思ったが、本音はそうではないだろう。と感じた。昭和25年生まれ、今年64歳になる。死に急ぐにはまだ早すぎる。