探偵日記 11月18日水曜日 晴れ後雨
昨日は早い時間から雨になり、早く家に帰りたかったのだけれど、悪い女にひっかかって、結局、歌舞伎町のクラブに連れ込まれた。「同伴」って、お昼に会ってお茶をして、どこかでシャワーなどして、そのあと美味しいご飯を食べてお店に入る。のが正統な同伴だ。と言ってみたら、「それは昔ばなし。ばっかじゃあないの」と一蹴された。ここでホステス諸君に教えてあげる。こういうやりとりのことを、法律では(心理留保)または、心理詐欺。と言って、お互い、ジョークの範囲であることを承知でする約束は反故にしても良い。のである。例えば、僕が、お目当てのホステスちゃんに、(マンション買ってあげる)と言って口説いたとする。勿論口約束では信じないだろうから誓約書も書く。しかし、後日、その誓約書を盾に請求をしても(あれは冗談じゃあないか、君もそう思っただろう)となるのである。(べ~)
おもろい探偵たち その 2)新米探偵B 1-3
ちょうどそこに居合わせた責任者もその騒動に加わり、蘭磨君の履歴書を覗き込んだ。すると、「なんだ部長、こいつ11歳で大学に入ってるじゃあないか?エッ警視庁に入った年が15歳だよ。ほら生年月日を見てみろよ」と言う。そばにいたみんなも加わり検証すると、なるほど責任者に言うとおりである。そこで、責任者がもう一度下宿先に電話を入れ、「ああ、そちらに奈良県出身の何とか言う青年が」と切り出すと、下宿先のおばさんが「ああ、山本君のことですか」と応じる。責任者が「山本何ておっしゃいましたかね~」と言うと、「宏君ですよ」と応えた。
御子柴蘭磨の本名はごくありふれた「山本宏」と判明。さあそこからは探偵の腕の見せ所。ゼンリンの住宅地図を取り寄せ、蘭磨君じゃあなかった山本宏の履歴書に書かれてある本籍地に同名の住宅があることを突き止め、ついでに電話帳から番号も判明した。電話を入れた責任者に対し、父親らしき人物が「宏は東京に行っております。はい、こっちの高校を出て自衛隊に入ったのですが早々に辞めたらしく、その後頼りも無いので良く判らないんです。何か息子がしましたか」責任者は、曖昧な返答をして電話を終えた。----------------