探偵日記 02月23日金曜日 雨のち曇りそして晴れ
午前中所用を済ませて事務所へ。組合の専務とランチ。
昨年の10月12日、杉並区内の大久保通りを走行中、前の車に追突しそうになった。下りてみると幸い衝突の状況は認められなかった。だいたい、今の車は障害物を察知すると自動的に止まるようになっている。勿論僕のベンツも同様で、僕がブレーキをかけるより早く作動して停車した。しかし、前のワンボックスカーから降りてきた男は、「警察を呼べ」という。その日僕は地味なスーツを着ていた。要するに、なめられたわけだ。やがて杉並警察の交通課がやってきて、双方の車両を見て笑っている。お互いの車の後部及び前部のバンパーにかすり傷一つ見当たらない。保険会社に電話すると「あとはこっちでやりますから」と言われ帰宅した。ところがその後、相手は腰が痛い首が痛いといい病院通いをし、散々、医療費や休業補償とやらを受け取った挙句、示談金として100万円近いお金を得た。エッなんでと思ったが、保険会社は「いいんですこの程度の金額は」と涼しい顔。冗談じゃあない。そのおかげで僕の保険料は高くなる。探偵の僕は、その男(川越在住のMN)に暗い興味を抱いた。