探偵日記

探偵日記 04月03日火曜日 曇りのち晴れ

最近の調査は何かとややこしい。まず、マルヒの住所。マンションなら間違いなく玄関はオートロックで、部屋数が多いとその部屋を確認するにもひと苦労だ。次に、本人確認。時には年齢もはっきりしていないことも多く、全く雲を掴むような頼りない感じでスタートさせる。場合によっては何回か外れるのも仕方ない。今回の調査。マルヒの行動を数日監視しなければならない。予想では、四十路を少し越えたぐらいか。ダメもとで部屋の登記を取ってみたら「所有」していた。


結婚詐欺P3

 婚約指輪200万円、結婚指輪350万円、「彼女イタリアで式を挙げたいって言ってるから」で、イタリア行の費用200万円、ドレス代150万円、「あのドレス気に入らないっていうから」と言われ再びドレス代250万円、挙式費用600万円。などと、1ヶ月もしないうちに2000万円近く支払った。しかし、良し、これでやっと結婚できる。お袋もきっと喜んでくれるはずだ。と、思っていたら肝心のフィアンセと連絡がつかなくなった。塩月に相談すると「彼女性格が悪いわよ。私が別の人を紹介するから」と言われ、(変だな~)と思い探偵事務所に駆け込んだ。調査の結果、結婚相手から告げられていた住所、氏名、勤務先、全て嘘。極めつけは、責任者の塩月から買ってもらって相手に渡していた指輪2点、(返してくれ)と言って、取り返し、質屋で鑑定して貰ったらいずれも数千円の代物だった。
この場合、完全な「結婚詐欺」警察に訴えれば刑事事件として受付る。しかし、さほど熱心に捜査はせず、本人を呼び事情を聴き、反省の色が無ければ「泊まって行け」ということになろう。ただ、そうなったら男性が相手方(この場合結婚相談所の塩月所長及び見合い相手の女性ということになる)に渡した2000万円は返ってこない。