探偵日記 


2022・03・21 月曜日(春分の日)薄曇り




三連休の終わりの日。昨日のコンペは1打差で2位。相変わらず詰めが甘い、午後の3番ホール、30分以上待たされリズムが狂った。これはみんなも同じ条件だが、珍しく調子がよく前のホールでパーをとり(ん、今日はこのままトップを守れそうだ)と思った途端の(待ち)少し寒いこともあって気力も萎えた。キャディ曰く「経営が変わってメチャクチャになった。混もうとなにしようとお構いなし入れたいだけ入れる」その通りで、サービスというサービスは一切省略した経営。外資とはいえ凄まじいやりかたで(嫌なら来てくれなくて結構)という態度。紳士が集うクラブ経営はいずこへ。




今頃の不倫事情




僕が探偵になった50年前はともかく、平成の半ば頃までは「不倫」にも一定の節度があったように思う。不倫ーー道ならぬものではあるが、マルヒにも相手にも相手に「惚れ」るという一念や主義みたいなものがあった。浮気に何の主義?と思われる読者もいようが、調査をする側に(う~ん何となく分かるよ)と感じさせる雰囲気があった。確かに、浮気は民法で禁止されている行為で、韓国などつい最近まで刑事罰すら課せられている。日本にも(姦通罪)があった時代があり、更にその昔は死罪もあった。まさに、道ならぬ恋を全うしたければ死をも覚悟の上だったのだ。それが昨今はどうか、調査依頼その1 マルヒは会社社長、依頼人はもちろん妻、調査初日、担当の調査員から「女と会って今ホテルに入りました」と、第一報が入る。良く聞いてみると、交番の前で会って真っすぐに近くのラブホテルに入ったらしい。僕が(じゃあ、ホテルを出て飯ぐらい食うだろうから、その後は女の身元を確認してくれ)といったのはいつもの流れである。ところが、「ホテルを出てそのままバイバイしましたがどうしましょうか」と、調査員。マルヒは翌日もそのまた次の日も相手の女性は変われど同じパタ~ン。3か月連続で調査したが数十人の女性を相手にホテル通い。調査依頼その2、今度のマルヒは商店主。家を出て店にはいくがすぐに単身ラブホテルへ。報告を聞いて僕は(え、なんでおじさんが一人で行くんだよ)と言ったが、勿論若い調査員もキツネにつままれた態、10時間後、マルヒはまた一人でホテルを出て帰宅。食事の支度をして出迎えた妻に「ああ、今日は忙しくて疲れた」とのたもうた。それから毎日、同じパタ~ン。それでも探偵は、マルヒがホテルに入って間もなく単身入る女性をマーク。出るときは女性が少し早く出て、その後マルヒが出てくる。ことを繰り返したため十数人の(本人の相手)を割り出したが、弁護士曰く「何の証拠にもならない」との由。これは不倫や浮気の範疇ではなく単なるプレー。僕に言わせればジョギングで疲れることと一緒、反する倫理のかけらもない。