探偵日記 04月23日木曜日 晴
19時帰宅。このところ毎日こんな時間に家に居る。今日は女優の「岡江久美子」さんが亡くなったというニュースを聞いた。まあ、彼女も最近大きな手術をして免疫が低下していたようだが。
本来の探偵業務もとん挫し、新しい依頼も皆無。こんな日々が数か月続けば、我が貧乏探偵事務所も閉鎖することになるだろう。50数年やってきた仕事をこんなことで終わりにするのかと思うと非常に残念というか忸怩たる思いである。本当の意味で僕の人生のピリオッドをこういう形で迎えるのか。と思う。
新宿・犬鳴探偵事務所 4-23
母親は、「二度とあんな馬鹿なことをさせたくない」と思い、(とにかく犬鳴さんに相談しなさい)と説得。娘の依頼人がこの日僕を訪ねてきた。
依頼を受けた仕事は探偵事務所にとって(ランチ)みたいなもので2~3日で結果が出た。マルヒは会社を出た後、定宿としているはずのホテルには寄らず、真っ直ぐに女性のもとに行った。そこは、当時そこは、話題になった超高級マンション村。十数棟の高層の建物で構成されている。その中の一つの建物に入ったマルヒは正面玄関のインターホンで部屋を呼び出しドアを開けてもらいその部屋に入った。調査員もぬかりなくマルヒに続いて建物内に入り、エレベーターも同乗し、マルヒが1801号室に入ったことを確認。その後、夕食に出てきた二人を尾行。ツーショットをカメラに納めた。
とりあえず初期の調査はこれで完了し、数日後、依頼人の奥さんを呼び報告した。マルヒが家に帰ってこない理由はこの女性の存在が原因で、二人がまぎれもなく不倫関係にある証拠を示す報告書を読んでもらった。犬鳴は、ここまでの調査費用として30万円の請求書を提示したのだが。・・・・・