探偵日記 04月24日金曜日 晴
特に変化のない一日。話題といえばコロナに尽きる。(中国の武漢の研究所で作られたウイルス)が世界中に流布され大変な状況になっているが、誰もそれを公に言わない。かの国では(コウモリがどうのこうの)と言っているらしいが全くの門外漢の僕にもわかる。これは、人為的な産物のほかならない。そういうふうに思えば、かっての某宗教団体が行ったサリンなど可愛いものだと思う。このコロナのせいで、世界中、身近なところで、わが日本國がどうなるのか、少なくとも僕の事務所のような零細な事業所は消えてなくなるだろうと思う。たまさか、(終活)を模索する年齢だから、ちょうどよかったとも思うが、こんな終焉は想像していなかった。色んな知的財産を後輩に禅譲して、山口の郷里に帰り、過ぎし日の良き思い出に浸りながら静かに人生の幕を引くはずだったのに。
新宿・犬鳴探偵事務所 4-24
依頼人は報告書を一瞥し、納得したようで、犬鳴探偵事務所の仕事ぶりにも満足してくれた。と、犬鳴は思った。当時の事案としてはとるにたらない(失礼)小さなものだったが、決して手を抜かず真摯に行った調査である。請求書を渡し、現金で受領し、これで終わるはずだった。しかし、依頼人は席を立たずじっとしている。犬鳴もまた退出を急かすことなく依頼人の様子を見つめている。どちらが先に口を開くか、我慢比べのような時間が過ぎる。やがて、依頼人が先に、あのう~と言い、その後、「所長さん、調査はこれで終わりですか?」と言う。犬鳴は、エッと思った。この報告で不満足だったのだろうか、稀に、約束の料金で何もかもしてくれる。と勘違いする依頼人もいる。例えていうなら、デパートでスーツを買い、ワイシャツも、ネクタイも、靴も靴下も付けてくれというような驚くような人もいるかもしれない。犬鳴は、(僕は、奥さんから頼まれればたいがいのことは引き受けますけど、この他にどんなことが知りたいですか)と聞いた。・・・・