探偵日記

探偵日記 04月19日木曜日 晴れ

11時半、神田駅に近い喫茶店でご依頼人と面談。その後事務所へ。朝出た時はそれほど感じなかったが、1時を過ぎたあたりから随分暖かくなった。明日以降さらに気温が上がるらしい。相変わらず不景気だが、季節はようやく上向いてきた。山口の同級生から連絡があり、GWの3,4日下関のコースでゴルフの予定が出来る。その後、夜は彼らとご飯を食べることになり、楽しみである。よちよち歩きの頃からの幼友達で、会えばたちまちその頃の気分になれる。
丸の内のA弁理士の件、ようやく弁理士会の本格的な調査が開始されることになった。「事実と相違する」なんて、たかを括っていたが、今後、会のほうから文書が届いたり、呼び出されやっと自分の置かれた立場に気付くだろう。最近、財務省のトップや新潟県知事のまことにお粗末な品行で姦しい。但し、僕的には(そんなに騒ぐことか)といった疑問符が付く。しかし、A弁理士の行為は弁解の余地も無いだろう。梅雨が明ける頃、処分の結果が出るだろうが、いくら地団太踏んでももう遅い。

調査会社あれこれ 1-2

先輩たちと一緒に入った居酒屋は広く、すでに帰宅途中のサラリーマンで賑わっていたが先輩諸氏は常連と見えて歓迎されていた。僕の歓迎会というより、毎日の行事のようで、みんな勝手に飲み始める。僕はそんな連中を冷ややかに眺め、(将来こんなボロ雑巾のような調査員にはなりたくないな~)なんて考えながら、注がれるままに飲んだ。翌日は社長に誘われ、後で知ることになった社長の愛人を含めた三人でこ洒落た割烹でご馳走になった。帝国興信所の叔父は下戸の部類だったので、ご飯は食べても酒を飲む機会はほとんどなかったので、毎晩飲み歩く連中を見て不思議に思った。調査員の給料なんてたかが知れている。この会社でもらう僕の給与は7~8万円で、それでも当時としてはいい方だったように記憶するが、自分の小遣いで毎晩飲む余裕はなかった。ただ、若かった僕に負担をかけるようなことはせず、毎度先輩が払ってくれた。酔ってくだをまく人、飲みすぎて漏らす人、他人に喧嘩を売る酒乱の人、一緒に飲んで同類と思われたくない連中だったが、時間がたつにつれ慣れるとともに、彼らの好人物ぶりを認め、自身もとっぷりとその水につかった。社長にも可愛がられ、ここでは、奇想天外な経験をさせてもらったが、当初の予定通り、きっちり1年でその会社を辞め、新聞の募集欄を見て探偵事務所に面接に行った。