探偵日記

探偵日記 04月27日金曜日 晴れ

何時もの時間に起きて、いつもどおり朝食の後家を出る。駅までの途中、顔見知り数人と会う。地元ということはそういうことなのだろう。東京でもそうなのだから田舎町はなおさらで、極端に言うと町中が親戚みたいな親しさで交わる。GWに帰る僕の郷里も同様で、今も鍵をかける家は少ない。もう55年離れているが、昼間歩くと(ああ、帰っちゃたほかね)と声をかけられる。どなただったかな?一瞬わからない時もあるが(お元気そうで)と返す。数分後、はっきりと思い出す。或る時、浜で同級生と立ち話をしていたら「おう、福田」と言って近づいて来た老人が居た。まったく思い出せないでいたら、一緒にいた同級生が、〇△だよと教えてくれた。同じく同級生だったが杖にすがって歩く姿から幼い頃の彼を想像する事は出来なかった。

調査のあれこれ 1

僕は探偵になる前、調査会社というところは、会社の信用調査を行うところだ。と、思っていた。これは多分に、帝国興信所に勤務する叔父の影響だろう。しかし、その後、実際にこの世界に入ってみると多種多様であることに驚いた。僕の事務所も「報酬規定表」があり、種目別に料金設定がしてある。信用調査(法人・個人)いうまでもなく、法人は企業の業績などを調べるもの。個人は、資産や人柄、風評などを調べる。結婚調査は文字通り、結婚相手の身元を調べることで、経歴、学歴、職歴、資産、素行、趣味嗜好、思想、交友関係、健康状態、家族関係(父母同胞)家柄、生活状態、等々。雇用調査(企業が採用を決めるために行う調査)、素行調査、他に浮気調査ともいう。所在調査(家出人の捜索)、資産調査(法律事務所などから、差し押さえのために依頼されることが多い)これに関して、最近は、銀行預金の残高や、通帳の流れ(出し入れ)に限って調査することもある。あと、対象者の顔写真だけ、とか、勤務先及び自宅だけなどと範囲を絞って頼まれることもある。したがって、探偵は、依頼人のどんな要望にも対応できるよう知識も備えておかなければならない。