翌日、、依頼人の要望により早速調査に入る。若い夫婦ゆえ共働きも当然であろう。夫婦は同じ職場で知り合い、結婚後もそのまま勤めている。ただ、就業している場所は、依頼人が本社で、マルヒ(妻)は支店のようなところだった。
午後4時、マルヒの勤務先付近に到着、直ちに張り込みを開始する。同5時7分、営業所の入るビルよりマルヒが出てくる。薄手のコートを着ているので、服装は詳しく分からないがスカートにヒール、手にはブランド物のバックを持っている。身長155センチぐらい中肉で、美人とはいえないが少し可愛い印象である。夫の依頼人がいかにも若い感じなのに比べ、少し円熟した感じで年上に見えた。
電車を乗り継いで、有楽町駅にて下車。想像通り40代後半でサラリーマン風の男性と会う。その後簡単な食事をし、次に行った先は、日比谷の、ちょうど帝国ホテルの裏に位置する喫茶店だった。僕と年齢は3歳上だが、後輩のKさんと(何だ、ホテルに行かないね)などと言いながら、店の出入りが確認できる場所で待機する。ーーーーー