探偵日記 12月28日土曜日 晴(まだ夜中なのでよくわからないが)
昨日、顧問弁護士M先生の事務所の忘年会に参加して、一応通常の行事は終わった。食事は先生に事務所の近くのウナギ割烹「わたべ」(小石川一丁目)とてもおいしい店だった。
今日は西東京市でご依頼人と面談の予定。もう実際の調査は来年になるが受件する。
一昨日、やっと念願のクラブが手に入ったユーティリティの9番と11番、とりあえず試打したいのだがなかなか時間が作れない。転居に伴い色々と生活環境が変わりスケジュール通りにいかない。
ゆうこ 9
或る日、調査員がゆうこのアパートで張込を開始したがお昼を過ぎても出てこない。という報告があった。実は、依頼人の指示で土日の調査を休んだのだが(何か変化があったかな)と気づく。内偵してみると部屋を引き払ったことが分かった。すぐに依頼人に報告し、さらに調査を進めたところ、実家から両親がやってきて郷里に連れて帰ったことが判明。なんでも、学校から実家に(進級できない)と連絡がいき驚いた両親が上京、有無を言わさず実家に戻したらしい。勿論両親は東京での生活の詳細を知る由もなく、単に学業を疎かにした罰として諫めたものらしい。そこは18歳の女子である。何ら抵抗もせず、勿論会長にも知らせなかったようだった。実は会長とゆりこはこの間何度か会っていた。気まぐれに会長のもとを去ったものの、数か月間の華美な生活が忘れられず(夜はアパートに帰る)約束のもとに、或る時はホテルで、またある時は会長の住むマンションで関係を続けていたようだ。そんな時は会長から「福田君明日はいいよ」と連絡が来ていたので、今回もそうかと思っていたら、そうではなかった。
両親はゆりこの携帯を取り上げ自宅謹慎を強いたから会長との音信も途絶えた。やがて季節は冬となり、我が貧乏探偵事務所の不幸な調査員は雪深い北陸の過疎の村で張込をすることになった。・・・