探偵日記 01月04日土曜日 晴
一夜明けて、昨日は疲れているのに寝付かれず、うとうととしながら朝を迎えた。それでも朝食はしっかり食べて、また少し横になって、本日の活動開始。お昼頃、天祖神社、阿佐ヶ谷の神明宮で初詣して新宿へ。夜はまた阿佐ヶ谷で恒例のカラオケスナックに行く予定。けっきょくきょねんとかわらないパターンで今年も始まる。
しかし、僕は今年の計画として以下の事項を密かに決めている。
1)7日から午後5時までは決して雀荘に行かない。
2)週1回ゴルフのレッスンを受ける。--去年のうちにスクールの予約はすませてある。
3)1日最低一人の人または1社(或いは法律事務所など)を訪問し営業活動を行う。
4)日月の2日休刊日とする。但し、第3日曜日はコンペのパーティがあるため例外とする。
5)歯科医、と、眼科に通う。
6)夜のクラブ活動は原則週1とする。弁護士先生の接待などの場合を除く。
7)体調管理について軽い運動をする。
等々、果たして何時まで続くかな(笑)
新宿・犬鳴探偵事務所 4
これより少し前、昭和60年春、貧乏探偵の犬鳴に一大転機が訪れた。当時、(なんでこんなに仕事が入って来るんだろう)と、訝しく思えるほどひっきりなしに問い合わせの電話が鳴り、次々と受件に結びつく。もう、一匹狼だなんて気取っていられなくなりリクルート雑誌に小さな募集広告を出したら、ワーという感じで応募が殺到した。何事も断るのが苦手な犬鳴は面接した人8名を全部採用する羽目になり、探偵事務所としてはかなりの大所帯になってしまった。ところが、事務所は5,5坪の広さ。僕の机と4人掛けの応接セットはあるのみで新人たちの座る場所は全くない。仕方なく、ビルの1階に大きな喫茶店があって、調査員らはそこで待機させることにしたが、皆驚いたことだろう。女子事務員は、犬鳴が事務所にいるときは応接セットに座り読書にいそしんでいたが、万一来客があればユニットバスの中に隠れる。本当に今思うと笑い話にもならないが、若さゆえかそれもまた楽しかった。
JR新宿駅から徒歩2分、大ガードから数軒先に建つオフイスビルの1室、5,5坪ワンルームを犬鳴が購入したのが6年前、その頃、高田馬場に事務所を構えていたのだが、或る時、新宿西口の会社の報告書を届け、小切手で10万円集金した帰り道、小滝橋通りのあったモデルルームも看板に誘われフラフラっと入り、営業マンの勧めるまま集金した小切手を申込金にして購入してしまったのだった。
当時は、探偵に依頼する人たちのほとんどが事務所に来ることはまずなかった。たいていの人はホテルのロビーや、駅に近い喫茶店を指定して会い、どうしても事務所に来るという依頼人は年に一人か二人だったから、狭い事務所でも不便は感じなかった。・・・・・・・・