探偵日記

探偵日記 02月17日月曜日 曇りのち晴れ

07時、何時ものように朝ご飯を食べ、09時ゴルフのレッスンに行く。11時、帰り道、喫茶店でピラフを食べて帰宅。すぐに支度をして外出。その後はお定まりのコースを辿って21時過ぎに帰宅。月曜日から仕事らしい仕事もせず無意味に過ごす。明日は、内偵に行くつもり。

新宿・犬鳴探偵事務所 2-17

頃合いを見て、犬鳴は(工藤さん単刀直入にお話しします。僕もお嬢さんと似たような年の娘がいますのでやりきれないのですが)と前置きをして、本来の目的を言った。沙織が勤務先の医者と不倫して身ごもっていること、もう、5か月を迎え下ろすなら時間が無いこと、そして何より、彼女がいかに頑張ってもその医者の妻にはなれないこと、場合によっては多額の慰謝料を請求されること、などを手短に話した。犬鳴の言うことを黙って聞いていた父親がやっと口を開いた。「もうすわけねえでし」犬鳴にはそう聞こえた。(いやいや、お父さん申し訳ないのはこちらのほうです。本来ならば、当人のドクターが来なきゃあいけないんでしょうが勤務の都合で私が代理で参りました。まあ、こんなことを例え父親でも工藤さんに言うことじゃあないのかもしれませんが、、こちらもこうするしか方法が思いつかなかったものですから)時間もありませんし。最後のそう付け加えて父親の返事を待った。東北の人はおしなべて無口な人が多いという。犬鳴もある程度は承知していたし、罵声を浴びせられることも覚悟していた。
しかし、帰ってきた言葉は、犬鳴のことをおもんぱかる優しい声色の短いものであった。「今日はこちらにお泊りでしょうね」犬鳴は父親の真意を測りかねたが、短く(ハイ)と返事した。・・・・