探偵日記

探偵日記 02月16日 日曜日 雨とくもり

今日は阿佐ヶ谷のゴルフコンペの日。06時、迎えの車にって栃木県小山市の「ひととのやCC」へ。途中ちょっと降られたがプレーに影響するほどではなく楽しく周れた。スコアもまずまずで準優勝だが、随所にレッスンの効果が出て満足した。欲を言えば、アプローチのミスが3-4回、相かわらずパッティングが悪かったことを次回修正すれば期内(6月まである)に優勝できるだろう。16時半帰宅。パーティまで横になれた。

新宿・犬鳴探偵事務所 2-16

必ず在宅してるだろう時間帯に目的の家に近い場所に着いた。十和田の工藤家は市のはずれで奥入瀬に近い田園の中に建っていた。めったに訪問者も無いのだろう、陽が西に傾きかけた頃、庭に乗用車が入ってきたので家族全員と言っていいぐらいの人たちが家から飛び出してきた。車から降りた犬鳴はその中の60がらみの男性(事前調査でおおよその人相も分かっていた)に対し、(突然お伺いして大変申し訳ございません。訳があって前もってご連絡をしませんでした。実は東京にいらっしゃるお嬢さんのことで折り入ってお願いがあってまいりました)という趣旨のことを丁寧に伝えたところ、ただの田舎の朴訥な農夫。と思っていた工藤沙織の父親は感が良いというか気が利くというのか、犬鳴のたったそれだけの言葉で、訪問者の要件を察したらしく、心配そうにする家族に対し「いいからおめえたちは家さへえってろ」と言ってみんなを家の中に追いやって犬鳴と二人きりになってくれた。犬鳴が(車の中でよろしいですか)ときくと、構いませんと言う。お嬢さんは東京で元気に働いてらっしゃいますよ。とか、ここはいいところですね~、僕は山口県から出てきたんですが、やっぱりこういうところに来るとホッとします。東京の生活は何かと大変ですが若い人はやっぱり憧れるんでしょうかねえ。などと当たり障りのない話をしながら彼を観察してみた。農家の長男として生まれ、おそらく外に出たことは無いだろう。家と、車で10分足らずの勤務先の役所を往復するだけの人生。楽しみは子らの成長を見るぐらいではないか。それでも特に疑問も感じず静かに生活し、他人を妬むことも誹ることもしない、誠に好人物に見えた。犬鳴の他愛ない話に相槌を打ちながら、この、突然やってきた東京の男の訪問の真意を測りかねているが、自分のほうから聞きただそうともしない。ただ、良からぬ話。ということぐらい感じているはずである。・・・・・・