探偵日記

探偵日記 03月28日土曜日 曇りのち雨

予報通り午後雨になり気温も急激に下がった。今日は所要でちょと出かけたけどすぐに帰る。国の言うように、不要不急の外出を控えたわけだが、この先どうなるのか不安だ。
地球の長い歴史の中で、戦争、災害、疫病で、人口が淘汰されてきたが、今回のコロナがそうなのか。まあ、高齢者が危ないらしいから喜寿を目前にした僕などその対象になっても構わない気もするが、
こんな流行病で人生の終焉を迎えるのは如何なものかとも思う。(憎まれっ子世に憚る)という諺があるが、だとしたら、僕はまだまだ生き続けなければならない。(笑)

新宿・探偵事務所 3-28

娘の夫に変更された調査はあっけなく終わった。犬鳴や、調査員が想像した通り、マルヒは勤務先の同僚と不倫していた。毎日のように、退社後、女性の住むマンションに直行し、おそらく、周囲の目を恐れたのあろう。女性の手料理で夕飯をすませ、二人そろって外で食事したことはなかった。女性のマンションはJR新大久保駅から高田馬場の方へ5~6分のところ、社会保険病院の裏手にあった。現場を見た犬鳴は、何となく、昔読んだ松本清張の本を思い出した。内容は、真面目で小心なサラリーマンが部下の女性とねんごろになり、彼女の住むアパートに通っていたが、或る事件の参考人として裁判所の証人にならなければならなくなったが、彼は、頑として、某日その時間にそこに居た事実を隠ぺいした。なぜならば、事実を言うと、(じゃあなぜ貴方はそこにいたのか)という質問にも答えなければならないからで、当時その本を読んだ犬鳴は(何も隠さなくたって、なんとでも言い訳できただろうに)と思ったが、人は様々で、犬鳴のように破れかぶれの人間のほうが珍しいのかもしれない。ただ、犬鳴はその原作が後日映画になったのを見たが、主人公のサラリーマンを演じた、今は亡き小林桂樹さんの、強盗殺人の疑いをかけられた知人の(その時間、私は、近所に住む知人とある場所で会っています)という言葉を否定する彼の苦悶の演技に共鳴したことを覚えている。犬鳴は、今回のマルヒと、小林桂樹さんをダブらせたのだが、もし彼がその立場になったらどうするだろうか?探偵はそんな余計な想像の世界も楽しむ。・・・・・