探偵日記


2020年08月28日金曜日 晴




昨日木曜日はゴルフで、正月から始めている教室のコースレッスンの日。埼玉県の「富貴」というところに行った。河川だがコース内の木も伸びて林間コースを思わせた。過去2度ほどプレーしたが、やたらと池の多い、まあ、考えようによっては(戦略性に富んだ)コースかもしれない。スルーで回ったので13時には帰宅した。夜は、阿佐ヶ谷の居酒屋でご飯を食べる。




新宿・犬鳴探偵事務所




本当に依頼人はすぐにやって来た。犬鳴が出迎え、応接セットに座った途端、「あの~電話をお借りしてよろしいでしょうか」と言う。どうぞ、と言って事務所の固定電話(当時はまだ携帯の無い頃だった)の受話器を渡した。依頼人は早速どこかに架電。狭い事務所だから聞くなというほうが無理で先方の声まで犬鳴の耳に届く。依頼人はまず「安心していいよ看板は出ていないから」などと言って、大丈夫お母さんがしっかり言っておくから。などと言っているから受話器から漏れ聞こえる声の女性は娘であろう。聞いてみると、大学院に行っている娘が何者かに嫌がらせをされノイローゼになっている。だから、その誰かを特定し、場合によっては解決して欲しい。というのが依頼の趣旨だった。犬鳴は途端に戦闘意欲を失くし、(被害妄想)という言葉が頭に浮かんだ。




依頼人は心配で大阪から飛んできたらしい。犬鳴が(探偵社よりも警察の案件かな~)というと、「ダメです。警察にも行きましたが相手にしてくれません」と言う。そうだろうな~と犬鳴も思う。警察は明らかに犯罪性があったり事件が発生していなければ本気になってくれない。埼玉県の桶川というところで女子大生が殺されたのはもっと後のこと、それでも、その後、警察は、その種の相談を疎かにして後手に回り批判を受けているが、まだこの頃は(聞く耳を持たない)状況だった。とにかく娘を助けて欲しい。と必死に頼む母親を見て、すでに10歳の可愛い盛りの娘を持つ犬鳴はむげに断ることも出来ず(じゃあ一度娘さんとお会いしましょう、調査はそれからということにしてください)と言うと、母親は心底安心した様子で、じゃあ娘の都合を聞いてみます。と言って再び事務所の電話でいずこにか電話をかけた。ーー