探偵日記


2025・04・09 水曜日 ☀




快晴だが風が強い。今日も10時前に事務所に来た。毎度のことだが、訳の分からない営業と詐欺メールの数が多く消去するのが一仕事となっている。朝起きた7時の時点で67件その後も十数件と連続して続き、10時現在150件余り、何とかならないものかと思うが、仕事の関係で今更アドレスを変えることも出来ない。




空飛ぶ依頼人 5




それから毎日銀座のクラブに通った。次の日、「お客さん誰か好みのホステスが居たらつけましょうか」というので、迷ったふりをして、マルヒの彼女の親友を(ああいうタイプが好きだな)と言って呼んでもらった。名前は多佳子。次の日、同伴出勤、その次の日は早めに会って三越で服を買ってやり、ご飯を食べて同伴出勤した。バブルがはじけて銀座も閑古鳥が鳴く時、こんな気前のいい客は珍しいのか最初は警戒されたが、そんなことが10日も続くと彼女の警戒心も緩和されたようで(いつでも付き合うわよ)といった雰囲気になった。今はご法度だが当時はまだ通用していた調査に「電話の盗聴」という裏技があり、依頼人の夫の会社や愛人のマンションの部屋に電話の会話を録音していた。だから、仮に僕が多佳子をホテルに誘うとすぐに事務所にバレる次第で、うっかりしたことは出来なかった。或る日の愛人と多佳子の会話、愛人(最近お店はどう?)多佳子(暇だよ~ただ最近ちょっといい客がついてさ~じじいで公告代理店の部長なんだけど、毎日同伴してくれるし、この間なんか三越で服を買って貰っちゃった。愛人(へ~ラッキーじゃあない今時珍しいね)多佳子(そうなんだよね、でも変なんだけど求めてこないんだよ)それを聞いた事務所の面々、所長どうしたんですか?世界で一番女好きなのに・・・・