働き者の僕は月曜日が大好きだ。とにかく、自宅でボーとするのが死ぬほど嫌だ。だから、特別用事も無いのに外出する。しかし用事がある時もあって、そんな日は堂々と出かけ、妻に命令されたとおり、伊勢丹で、味噌(長野県産の膳と決まっている。2キロ。1キロずつ小分けしてもらうよう指示される。)を買い、次は、自分の好物でもあるグレープフルーツ5~6個。気が向いたら蜂蜜入りの梅干を買うこともある。特に用事の無い日は、まず事務所に行って、報告書を書いたり脈絡の無い思案に耽ることもある。ある日、自分の職業について考えてみた。はたして自分は「探偵」になりたかったのだろうか、答えは否。である。叔父が帝國興信所(現在の帝國データバンク)に居たことも余り関係ないような気がする。要は、浪人中たまたま就職した先が調査会社だった。のだろう。そして今、何の迷いもなく言えることは、「正解」なのだ。探偵ほど刺激的な仕事はない。何十年やってきたにもかかわらず相変わらずの貧乏暮らし。特に昨今わが国の経済状況は最悪で、探偵業も青息吐息って感じ。でも、どんなに不景気でもしがみつきたくなるのが「探偵」なのだ。