探偵日記 3月4日火曜日晴れ
昨日、投稿した筈が下書きに残ってた。(笑)
今日は、昨日の検査結果を聞きに駅前のクリニックへ行く日。案の上、数値は悪くなっており、美人のドクターに「お薬を増やしますよ」と怖い顔で言われた。ちょっと気が緩んで、毎日ビールを飲んだことや、コーヒーにお砂糖を入れたのが悪かったのか。「食事の量が多い」とも言われたが、お昼をトーストだけで済ませたり、夜、湯豆腐だけのこともある。しかし、ドクターは「トーストやラーメンは血糖値を上げやすい」と言う。じゃあどうしたらいいんでしょうか?と聞くと、「とにかくお酒を控えめに」だって。ああ嫌だ。
先週の金曜日、2月最後の28日のこと。某裁判所からの尾行調査があり、依頼人が「物凄く警戒していると思います」と言うものだから僕も参加してみた。まあ、裁判所を出た所で調査員に任せ僕は例のところに行こう。と思っていたが、探偵の性がそうさせなかった。結局、深夜2時まで付き合い、仕事はパーフェクトに終了したが、久しぶりの徒歩尾行と睡眠不足で疲労した。訴訟中の仕事は厄介である。マルヒも(自分は必ず尾行される)と、確信を持っているから、庁内にいる時からキョロキョロし、帰路はメチャクチャ警戒する。こちらは車両班を含め4人体制で臨んだが、まず女性探偵が脱落、尾行開始から10分もしないうちに、所長(僕の息子)と僕の二人きりになった。老コナンと俊英?のコナンがマルヒを追尾する。車両班のNは最寄の駅で離れ、マルヒが落ち着いた場所で、再び合流した。午前1時、調査はクライマックスに。人けのない住宅街を歩くマルヒの後を左右に別れて尾行。マルヒは何度も後ろを振り返るが、裁判所を出てから10時間経過しているのと、駅まで車で尾行したので我々が自分を尾行している探偵とは思っていないはずだ。
暫く歩いたところで、前方左に白っぽいアパートが見えた。(あそこかな)と思って見ていると、マルヒは、一度後ろを振り返った後、さっとその建物に入った。小走りに接近したが、どの部屋に入ったのか確認できなかった。僅かに(パタン)とドアの閉まる音がした。上下8世帯が入居する普通のアパート下の4部屋のどれかがマルヒの部屋であることは間違いない。僕がアパートに着いたとき手前の2部屋と奥の部屋には灯りがついていなかった。すると、奥の部屋の電気がパっとついた。マルヒの部屋は104号室であることはほぼ間違いない。
翌日、調査員が張り込んでいたら、その部屋からマルヒが出てきた。家族を捨て、苦労して手に入れた生活はあまりにも惨めなものに見えた。