探偵日記 6月03日水曜日 雨
今日は朝から本降りの雨。「タイちゃんの様子が悪いので暫く私がやるわ」あんなに散歩が好きなタイちゃんが、外に出ても歩きたがらずご飯も食べない日が続き、見張り番が心配し、平日の散歩を僕に代わって行うようになっていた。数日ですっかり元気になり「もう大丈夫よ代わって」と言われたけれど、5時に起きる習慣が無くなり任せている。したがって、今日も気がつけば階下で物音がして、もう散歩は終わったようだ。(しめしめ)当分彼女にやってもらおう。
その代り、今日は事務の高ちゃんがお休みの日なので、朝ごはんが済むとすぐに支度をして事務所へ。
教師と教師 3
信雄は決心をして、コンビニの駐車場が見える場所で暫く張り込むことにした。自分の車を見られたらまずいと考え少し離れた建物の横に車を停めた。少しすると(ここじゃあ妻に感づかれるかもしれない)と思い移動した。距離はあっても明るいコンビニの駐車場は良く見える。運転席のシートを倒し、向こうからは見えない工夫もしたが、30分もすると不安になってまた少し移動した。そんなことをしながら3時間が経過したが妻は戻ってこない。コンビにでバイトでもしているのかな?何て思ってみたが、まさかそんなことをするはずも無く、次第に悪い予感が思考を占める。この近くのアパートに相手が住んでいて、そこで過ごしているんじゃあないか。等と考えたりもしたが、(妻に限ってそんなことはしないだろう)とも思ったりした。下の子には仕事を理由に、(お父さん少し遅くなるからコンビニで何か買って食べてなさい)と言ってあるが、あまり遅く帰るのも不自然である。午後10時、思いを残してその場を離れた。
妻が帰宅したのは12時を少し回ったあたり。眠れずに起きていた信雄は隣室に妻が入る気配を聞きながら襲ってくる睡魔に抗えず眠りに落ちた。翌日の朝、さりげなく(昨日は遅かったようだけど学校で何か有ったの?)と聞くと、妻は「そうなの、クラスの男子が警察に補導されて、校長や生活指導の先生と善後策を検討していたの」と言う。信雄は、平然とそんなことを言う妻を見て、心中煮えくり返るような憤りを感じたが、今のところ妻の「嘘」を覆す証拠も無いので(ああそう、今の中学生は何をするか分らないところがあるからな~)と言ってその場は終えた。この間もそうだが、妻は明らかに嘘の理由を述べている。じゃあ、なぜそんな嘘をつくのか、信じられないことだが、やはり妻の不倫を想像するしかない。ではどうすればいいのか。------------