探偵日記 8月3日月曜日 晴れ
NHKのニュースで、昨日、岐阜県多治見市は39.4度とかいってた。6月生まれで暑いのは苦にならなかった僕だが、ここ数年、この季節はこたえる。かといって寒いのはもっと嫌だし、雨も苦手だ。最近は、早朝プールに入るのが何よりの楽しみである。今朝もタイちゃんの散歩のあと、駅前のジムに行きマシンとプールを1時間半やって朝ごはんを食べ事務所へ。ただ、そのせいか、体重が2キロ増えた。なんでだろ?
れんげ 20
今年ももう残り僅かとなった年の瀬、12月二26日、とにかく、新しい年をここで迎えさせてやりたい。ボランティアちばわんの責任者中村芳子は集まった仲間に提案し、その日の午後、数人の人を乗せて、大き目の車で愛護センターを訪れた。顔馴染みのセンター長に趣旨を伝えると、センター長も喜んで、犬達が入る部屋に招き入れた。出来ることならみんな連れて行きたい。体を寄せ合って不安そうな表情で突然の闖入者を見ている犬達。吠えることも無く、まるで自分とは関係ない。とでも思っているようにそっぽを向く子。精一杯媚びて、(連れてって)と、縋る様な目をする子。ちばわんも限られた予算と、規模で運営している。切ないが、今日は何匹助け出せるのだろうか。センター長が説明する。「あの黒い犬は人に噛み付いた犬で、凶暴性があります。この犬は酷い皮膚病です。まあ塗り薬は塗っていますが。ああ、この子犬は多古町のお百姓が仕掛けた罠に挟まって右の前足が千切れています。」芳子が見ると、ガーゼにくるまれた辺りに血がにじんで痛そうにしていた。このままここに置いておけば感染症を誘発して亡くなるだろう。そう思うと胸を締め付けられ思わず泣いてしまった。よし、この子は引き出してあげよう。
結局この日、センターから助け出せたのは6匹だった。おいでと言ってもなかなかこっちに来ない子も居たり、手を差し伸べると尻尾を千切れんばかりに振って飛びついてくる子。そんな中に、表情の乏しい白い犬がいた。何故か、両目の下に同じような傷があり、それが何とも言えないぐらいチャーミングだ。再び、芳子は、仲間に諮って、最後に選んだその子も連れて行くことにした。冬の夕暮れは早い。引き出しの書類に記録して、犬達をそれぞれのケージに入れて車に運び込み、センターを出る時はライトを必要とするぐらい暗くなっていた。午後7時、ちばわんに帰りつき水と食べ物を与え、一匹一匹洗浄する。センターでは殺処分するまでは食事こそ与えるが、衛生面までは関知しない。したがって、ボランティアのもとに辿り着いた子達は、いち様に汚れきっており、右足首を損傷している子犬のように少なからず傷ついたり、皮膚病に罹っている。芳子らも獣医の資格は無いが、簡単な手当てぐらい出来る。軟膏を塗ったり、子犬の足の包帯も取り替えた。ーーーーーーーーーーー