探偵日記

探偵日記 8月24日月曜日 晴れ

朝5時09分、タイちゃんを連れて外に出る。思わず寒いと声が出た。ちょっと大袈裟かもしれないが、それだけ気温が低かったのだろうか。気持ち良さそうに元気に歩く犬を見て僕もいっとき幸せ感に浸る。しかし、食事を終えて事務所に向う頃は、残暑がきつく少し歩くと汗が出た。

 3月末日に明け渡した部屋の敷金が5ヶ月になろうとしている今も戻ってこない。実は、平成24年1月、社宅用に、四谷三丁目にあるマンションの1室(1ルーム)を借り受け、今年の3月31日で退室した。家賃は月額130,000円、敷金265,000円を支払ってある。マンションの所有者はあの東京電力の子会社「東電不動産」(台東区)仲介は、「三井不動産住宅リース株式会社」(新宿区西新宿)当然、クリーニング代金は負担しなければならない。と、思っていた。仲介業者側の担当者曰く、明け渡すとき立ち会った小社代表に(まあ、敷金で賄えますから)といったらしい。部屋は、一人の女性が使っていたもので、ほとんど汚れておらず、タバコの匂いもしなかった。のにである。それを聞いた僕は妙なことを言うな~。と思っていたのだが、数日後、「山川インテリア」(練馬区)という会社から、クリーニングの見積もりが届いた。開けてびっくり玉手箱じゃなくて、何と、総費用320,936円。小社はその内の216,160円を支払え。という内容だった。驚いた僕は早速そのクリーニングの会社に電話をした。しかし、同社の責任者は「私は指示されて見積もり書を送ったまでで、詳しいことは三井さんに聞いてください」と言う。それから今まで、高い。いいえ適正な金額です。の応酬が続いている。
 フローリングされた1ルームの1室のクリーニングに家賃の2,5か月分かかるという。2,3の仲介業者に聞くと「そんなもの2~30,000円でしょう」と言われた。都庁の不動産課にも行って相談したら、担当者が言外に「公序良俗に反する金額ですね」と笑っていた。東電不動産の責任者に何度手紙を出しても無視。三井不動産のほうも「お返しできません」の一点張り。東京は怖いところだとしみじみ思う。

れんげ 32

 また、会社の同僚は、「何ヶ月も可愛がって懐いている犬と良く別れられるわね」と、やや非難するように言っていた。そんな時、時々だが(私って本当は冷淡なのかしら)と思うこともあったが、(まだ沢山の可哀想な犬達が待っている。一匹の犬を幸せにしたあと、次の子をそうしてやらなければならない。)ひかるは、これまで二十匹以上の犬を預かり、それぞれ里親を見つけて譲渡し、折に触れて送られてくる里親のメッセージで、その子達は確実に幸せになっていることを知っている。私のしていること。否、私達のシステムは間違っていない。ひかるは強い信念を持っていた。ーーーーーーーーーーーーーーーーー