探偵日記

探偵日記 8月25日火曜日 曇り

昨日ほどではなかったが今朝もずいぶん涼しかった。勿論タイちゃんも気分がいいのだろうたっぷり1時間歩いた。家を出て左折。駅方向に進み、駅に添ってパールセンターへ。何時ものお気に入りのコースである。(今日は長くなるな)予感したとおりの散歩道なのだ。途中何度も他の犬に出会ったが知らんぷり。否、気付かないのだ。あれほど他に犬に関心を持って、散歩の時遭遇すると(遊ぼう遊ぼう)と騒いでいたのに、気配も匂いもしないのだろうか。今、13歳半、人間で言えば僕より年上ってことになるだろう。そんな彼を見て朝から物悲しい気分になった。

れんげ 33

 今度、れんげを家族にしてくれる人は、ひかるの家からも近く(送ってゆくのも楽だ)と思っていた。或る日、里親会に訪れた夫婦はまだ若く。といっても五十歳ぐらいだろうか。夫は大手企業に勤務するサラリーマン。妻も職業を持っているようだが二人とも優しそうだった。それに、もう社会人となっている娘さんが同居していると言っていた。
 最近、飼っていた二匹のうち年を取っていた一匹が死んで、(残っている子が淋しそうなので)というのが里親会に来た理由だった。ひかるが、(可愛い子が沢山居ますから見て行って下さい)と言うと、二人が、「いいえ、私達はれんげちゃんを見に来たんです」と言う。ひかるのブログを見て、迎えるのはこの子にしよう。と決めてきたらしい。れんげは、まだ大勢の人間が集まるこのような場所には馴れてなくひかるのそばを離れようとせず、どうかすると怯えて震えている。しかし、その夫婦がやってきて、「ああ、思ったとおり可愛い子ね」と言う妻に、夫も、「れんげちゃん」と言いながられんげの頭をなでると、れんげも嫌がらず小さく尻尾を振って気持ち良さそうにしている。ひかるは、(これで決まりだな)と思って、その様子をほほえましく見ながら、一方で、(ああ、この子もお別れしなくちゃいけないのか)と、ちょっぴり淋しくなった。ーーーーーーーーーーーーーーー