探偵日記

探偵日記 04月23日月曜日 曇り

今月も事実上あと5日で終わる。進行中の案件を片付けなければGWどころではない。日々、調査員の報告を聞いてもすっきりした内容ではなく、(ン、どうして)と思うことばかり。まあ、調査員のせいではないだろうが、こちっがすべて納得できるような行動はしてもらえない。最近の仕事は曖昧模糊としたものが多く、探偵の血が騒ぐような事件は少ない。今日これからいらっしゃるご依頼人の案件も、困難な割には実りの薄い刺激の無いものである。

調査会社あれこれ 2-1

面接当日現場に行け。という方もどうかと思うが、元気に返事をして行く方も行く方だ。簡単な説明を聞いて、その会社のものだろう。社員旅行か何かの集合写真を見せられて、ハンサムな所長さんが「この女性を尾行しろ」という。目的は、マルヒは社長の愛人で、どこかで会うかもしれないので、その事実を把握したい。だった。当時僕は1年半余り経験があったが「尾行」はしたことがない。まあそれでも特別難しいことでもないだろう。とたかを括り現場に赴いた。しかし、そんなに甘いものじゃあなかった。くだんのマルヒが会社を出てきた場面は捕捉出来たがあっという間に見失ってしまった。これが、僕の長い探偵稼業の始まりだったが、その、神田の「東京探偵事務所」は、数年後、トップクラスの事務所となって、そこの出身者が大勢独立した。